柚子湖は海蔘坪の北方にあり、かつては小さな漁村でした。今では住民はすべて転出しましたが、咾咕石(サンゴ岩)で作られた伝統的な民家が残っています。黄昏時に夕日が遺跡を照らすと、セピア色に霞んだ光景がレトロな趣を漂わせます。ここでは集落を見学する他、地元ガイドと共に柚子湖付近の海岸で人気の秘境-彎弓洞、翠湖、藍洞を探険しましょう。洞窟のひんやりした空気を感じ、藍洞では水面下に広がる青い世界に目を見張り、また翠湖では泳ぐこともできます。

柚子湖周辺の海岸は緑島で最も自然で、最も変化に富んでおり、サンゴ裾礁、貝殻が混じった白色サンゴ礁ビーチ、黒色柚子湖集塊岩、火山岩頚などの地質景観を目にできます。
付近には海食洞があり、洞の前にはさまざまな姿を見せる裙状のサンゴ岩が横たわっています。またここはカニなどの潮間帯生物を観察するにも絶好の地点です。洞窟の中ではさわやかなそよ風が感じられ、暑さをしのぎながら、波の音に耳を傾け、一息つくのに最適です。洞窟から外を眺めれば、青い空に白い雲が浮かび、山々の緑が際立ち、緑島の美しさがいっそう強く心に刻まれることでしょう。

柚子湖は重要な先史遺跡でもあります。日本統治時代に学術界の注目を集め、後の考古学調查と試掘により、先史時代の獣骨、魚骨、貝殼、陶片が大量に出土し、埋葬の跡や貝塚が発見されました。これらから先史時代、緑島の住民は東部、恒春半島の人々と密接な往来があったことが推察されています。柚子湖は考古学的に重要な意義を持つ遺跡なのです。
