「月光小桟」は都蘭の山麓にあり、コーヒーの香りとアートの気配にあふれたカフェです。2003年林正盛監督が映画「月光下,我記得」のロケ地にここを選んだことで、人気の観光スポットとなりました。今でも二階に当時の撮影セットが残されています。一階は地元の画廊「女妖在説画」が芸術家の展示スペースとして運営しており、不定期に動態/静態のアート展示、パフォーマンスイベントが行われています。多くの観光客がここに足を止め、東海岸の多様で多彩な芸術文化を感じています。
「月光小桟」の前身は「都蘭林場行政センター」、「教職員レジャー教育センター」でした。曲がりくねった山道を上って行くと、目に入るのは田畑、山並み、海。野山に一路延びる不規則に積み上げられた石組みを見ると、「都蘭(Atolan)」という地名の由来に思い至り、数百年前、アミ族の先人が苦労に苦労を重ねて田畑を切り開いた頃の情景が目に浮かぶようです。海岸山脈に段々と連なる都蘭の棚田はこうして築かれたのです。
「月光小桟」のもう一方の側には「月光カフェ」が開店しています。漂流木で作られた流線型のカウンターはここだけの味わい。さらに樹皮で作られたランプ飾りとガラスペインティングで、「月光小桟」は魅力的に装われています。「月光カフェ」ではコーヒー、ドリンク類、手作りのお茶請けを出す他、地元アーティストの作品、経営者が旅先から持ち帰った音楽、書籍、アクセサリー、衣服などの異国情緒あふれる商品も販売しています。
「月光小桟」では眼前に広がる都蘭湾の美景を心ゆくまで眺めたら、カフェで一息。茫洋と横たわる太平洋に向かい合い、心地よい潮風に吹かれながら、都蘭だけのゆったりした空気に浸ってください。
アクセス:台11線で都蘭村に入り、146.5キロ地点で「都蘭遺跡」の標示が見えたら、上り坂へ。標示に従い「石棺区」と「石壁区」を過ぎたら、3〜5分ほどで到着。