「静浦」は花蓮県豊浜鄉最南端の村落です。北回帰線標示は静浦村の南方にあります。地元住民はアミ族がほとんどで、アミ語で静浦は「Ciwi’(音としては「札位Zhá wèi」に近い)」と言い、「山の峰と峰との間の平地」という意味です。静浦は秀姑巒溪の河口に位置するため、秀姑巒溪でラフティングを楽しんだら、長虹橋を抜けた後、到達地点としてここから上陸します。近年、先住民集落が各種のユニークなツアーを運営しており、太平洋をバックに海岸山脈、秀姑巒溪、奚卜蘭島が見られる独特の景観もあって、静浦集落の美しさがたくさんの人に知られるようになっています。
静浦集落が近ごろ力を入れている体験型ツアーは、集落の住人であるアミ族の暮らしからヒントを得たものです。ツアーコースに参加することで、先住民族の暮らしを疑似体験できるのです。「八卦網」はアミ族にとって伝統的な川漁の道具で、アミ族青年はこの漁の技法を必ず習得しなければなりません。また「膠筏」は静浦集落と対岸の港口先住民集落とを往来する際に、川を渡るための交通手段でした。愉快な体験型ツアーでは、河口の美しい景色を楽しみながら、早朝のシラスウナギ漁、ミナミスナホリガニ取りなど、素朴で自然と渾然一体の先住民集落の日常の物語を聞くこともできます。
静浦では、集落運営のツアーコースの他に、地元の廚神(厨房の神)「陳耀忠」が開設したレストラン「陶甕百合春天」で、グルメがこれを目的にわざわざ足を運ぶ、先住民風情のおまかせ料理が楽しめます。静浦集落は、東部海岸国家風景区で「東部海岸先住民集落ワーキングホリデー」を初めて開催した集落です。「体験だけじゃない、参加しないと」を合言葉に、たくさんの若者たちが繰り返し何度も参加しています。こうして進化バージョンのビジターセンター「新太平洋一号店」が設立されたのです。静浦を訪れる際には忘れずに足を運びたい旅のスポットです。